【市場分析】原油は低迷が続く一方、米イラン交渉は進展に苦戦;利回り低下で金は上昇
米SPRを巡る報道と米イラン交渉の停滞を背景に原油は軟調を維持した一方、利回り低下を受けて金は上昇し、中国のPMIデータが拡大を示したことで卑金属も上昇した。
速報の内容
WTIの11月限とブレントの12月限は、昨日の大幅な下落を受けて低迷が続いている。米イランをめぐる相反する動きは、持続的な回復の勢いにつながっていない(詳細は下記参照)。また原油は、米国が戦略石油備蓄(SPR)から最大4,000万バレルを供給する可能性を示唆した昨日の弱材料となる供給関連のヘッドラインに加え、民間在庫が予想外に100万バレル増加したこと(予想は110万バレル減)から、引き続き圧力を受けている。ドバイ発テルアビブ行きの便に関係するハイジャックの可能性が報じられ、今朝は商品市場全般で小幅な上昇が見られたものの、その後の報道でこの事案は安全保障関連ではないと示唆されると、上昇分は消えた。WTIは1バレル=88.58~89.99米ドルのレンジ下限に近い水準で取引され、ブレントは1バレル=95.12~96.86米ドルのレンジ中ほどで推移している。欧州が冬を前に在庫積み増しを続けるなか、ドイツは12月15日までに天然ガス8TWhを調達・貯蔵するよう指示し、オランダTTFは不安定な値動きとなっている。TTFは現在、1MWh=67.88~70.78ユーロのレンジ中ほどで取引されている。 貴金属はまちまち。昨日の急激な利回り上昇を受けて世界的に利回りが低下するなか、金は上昇している。一方、市場参加者は本日後半に発表される米PCEを待っている。現物金は4,200米ドル/オンスを上回り、現在は4,166~4,201米ドル/オンスのレンジとなり、月曜日の急落からさらに持ち直した。現物銀はやや軟調で、60.84~61.72米ドル/オンスのレンジ中ほどで取引されている。 中国のPMIデータを受け、卑金属は上昇している。公式の製造業PMIは50.1となって拡大圏に戻り、非製造業PMIは50.2に上昇した。また、RatingDogの製造業・サービス業PMIも予想を上回った。なお、中国では明日から1週間の国慶節休暇に入る。LME銅3カ月物は1トン=14,458.70~14,550.88米ドルのレンジ上限に近い水準で取引されている。 注目すべき地政学的動向では、イランはカタールの仲介者を通じて、7項目の提案に対するワシントンの回答を受け取った。報道によると、主な意見の相違は提案の内容ではなく、提案された7日間の枠組みを進める順序にあるという。しかしAxiosは、今週の協議と仲介努力ではほとんど進展がなかったと報じ、敵対行為再開のリスクが高まっている。一方、イランは、核協議に先立ちホルムズ海峡問題と米国の封鎖を解決しなければならないとの立場を維持している。
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